ローランド製品の快挙
ローランド創業者にグラミー技術賞 電子楽器規格つくる
電子楽器大手のローランド(浜松市北区)の創業者・梯(かけはし)郁太郎さん(82)が、米国音楽界で権威のあるグラミー賞の技術賞を受賞した。ローランドが14日、発表した。日本人の個人受賞は初めて。
梯さんは電子楽器メーカー各社に呼びかけ、異なるメーカーの楽器でもデータをやりとりできる「MIDI(ミディ)規格」をつくった。ローランドと他のメーカーは1983年にこの規格を発表した。
MIDI規格によって複数の電子楽器が音色や強さを連動させて演奏ができるようになり、現在は国内外のほとんどの電子楽器が同規格に対応している。梯さんは「各メーカーが協力し、電子楽器の発展という同じ目的で努力した結果」とする談話を出した。
MIDIの概要
MIDIとは
DTMの話をするとき必ず登場してくる用語として「MIDI(ミディ)」があります。MIDIとは「Musical Instrument Digital Interface」の略で、電子楽器やコンピュータの間で演奏情報を伝達するための規格です。演奏情報とは楽器演奏の3大要素である音の「高さ、大きさ、長さ」および音色や効果を数値で表現したものです。ピアノを例にとって考えると、どの鍵盤を、どの程度の強さで、どの程度押さえていたかを数値で表現したということです。音色の選択やペダルの操作なども演奏情報に含まれています。
統一規格
MIDIの特徴として、メーカーを超えて演奏情報のやり取りができる統一規格であることが挙げられます。日本の電子楽器メーカーが中心となって海外のメーカーと協議し、1982年に誕生した世界共通の規格です。
MIDI機器
MIDIケーブルを接続できるMIDI端子(図1-1)の付いている機器が、標準的なMIDI機器と言えます。コンピュータとの接続には、USBやIEEE 1394の活用が一般的になっています。
音楽制作
MIDIによる音楽制作とはどのようなものでしょうか。まず、演奏情報を送信する機器(MIDIコントローラ)と演奏情報を記録する機器(シーケンサ)をMIDIケーブルで接続します。次に、MIDIコントローラを演奏すると、そのMIDI端子からは常に演奏情報が出力されます。これをシーケンサが記録することが、基本的なMIDIの音楽制作です(図1-2)。テープ録音とは異なり、内容は数値化されたデータなので、編集が自由自在であることもMIDIの大きな特徴です。
MIDIの可能性
このように、MIDIケーブル以外のインターフェイスやコンピュータ内部での演奏情報のやり取りは本来のMIDI規格からは外れていますが、時代の流れとともにより利便性の高いものへと発展していきます。しかし1983年に誕生したMIDIは現在でもバージョン1.0のままで、根幹的な部分は変わっていません。今後もMIDIは音楽制作環境の変化に対応し、さらに進化していくことでしょう。
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